今回は四次試験の再現ではなく、四次試験に向けた準備について書きたい。
これに受かれば、ついに公務員だ。
当初、市役所は志望していなかった。しかし、贅沢は言っていられない。あれだけ憧れ続けた公務員になれるのだ。
試験が終わってから言い訳できないよう、私はこの四次試験に向け、全力で準備した。
具体的には、市の基本計画や長期計画、シティプロモーション、市報などを徹底的に読み込み、発言に説得力を持たせるために街歩きも行った。
私は地元出身でもなければ、近隣市の出身でもない。
それで自治体職員を目指すのだから、誰よりも深く資料を読み込み、誰よりも多く行動するのは当然のことだ。
面接官もその前提で質問してくるはずだ。
社会人としての貴重な休日を、すべて公務員試験の準備に費やした。
自宅から1時間かけて受験自治体へ向かい、市の施設をくまなく回る。市民センター、公園、郷土博物館――徒歩で巡りつつ、住民の視点を体感するためコミュニティバスにも乗った。
ただ漫然と歩くのではない。
そこに暮らす人々の気持ちになり、毎日をこの地で過ごすとしたらどんな良いこと、悪いことがあるのかを、肌で感じながら歩いた。
市民センターでは展示作品を観賞し、公園では遊具やマップに触れ、道端ですれ違うおばちゃんたちの会話にも耳を傾ける。
どんな小さな情報も取りこぼさない――その必死さが、私の準備の本質だった。
もちろん、市役所の視察も欠かさない。準備は万全だ。
街歩き自体は多くの受験者も行うだろう。しかし、コミュニティバスまで使う者はそうそういない。
今になって思えば、あんなに必死に準備する必要もなかったのかもしれない。ちょっと肩透かしを食らったような、そんな気持ちが残った。

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