一次試験はSPIと作文。私の場合、特別な対策は不要だった。
もちろん、苦手意識がある受験者はしっかり準備すべきだ。しかし、私はこれまで数多くの公務員試験を経験してきたため、SPIで落ちることはまずないだろうと判断した。
自治体が筆記試験の負担を軽くしているのは、受験者を増やして優秀な人材を確保するためだろう。しかし、結果を見れば地元出身者が優遇されていることが多い。表向きの方針と実態のギャップに、私は少し矛盾を感じた。結局、民間志望の地元出身者に受験してもらうための“配慮”に過ぎないのだ。
私は出身が地方である。公務員として採用されれば、どこの地でも死ぬまでその土地で働く覚悟があった。住めば都――大学進学で上京した際、土地の魅力を実感した経験があったからだ。地元にはむしろ思い出が少なく、外からの視点を市政に活かしたいという思いもあった。
社会人として働く以上、まずは与えられた仕事に真摯に向き合い、日々の業務を着実にこなすことは当然のことだ。なのに、公務員採用では「地元出身者だから安心」という評価がまかり通る。採用要件には出身地は関係ないと謳われているにもかかわらず、実際には地元出身者が優遇される。特に女性の場合、その傾向は顕著だ。
今の時代、こうした指摘は反発を招くかもしれない。しかし、長年の受験経験から、私はこの現実を冷静に見ている。どの組織でも、長く働いてくれそうな人材が評価されるのは当然だ。民間なら熱意でアピールするが、公務員では出自が評価材料になる。妙な仕組みだが、現実だ。
話が少し脱線したが、一次試験は無事に終わった。
次はいよいよ二次試験、集団面接だ。
ここで私は、爆笑必至のエピソードを経験することになる――続きは次回のお楽しみ。

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