X市職員採用試験Part.9

12月。

私は寒空の下、とある高層ビルの屋上にいた。

ビュンビュンと音を鳴らしながら吹き付ける冷たい風を利用し、私は公務員試験に対する熱を冷ましていた。

手にはX市の合格通知。

もう、公務員試験の日程を調整する必要はない。

もう、興味のない自治体のことを調べる必要はない。

もう、当たってるかもわからない自己分析をする必要はない。

だって、合格したのだから。

自分で決めた公務員試験の受験。

学生時代はこてんぱんにやられたが、社会人経験を経て、どうやら私も少しは成長したみたいだ。

さて、ここからは引っ越しと退職のスケジュールを立てなければならない。

4月から公務員になるので、普通に考えたら3月末で退職するのが通常だ。

しかし、私の勤めていた会社は3月が繁忙期だったので、3月に退職すると会社に迷惑がかかってしまう。

そこで、2月に退職することにした。

3月の1か月間は人生初の自由時間。

それも楽しみだった。

引っ越しは2月中にしよう。

実は住みたい物件の目星はつけてある。

何度もX市の試験に受かることを妄想していたから、市内に住むシミュレーションは万全だった。

住んでいた部屋が手狭だったこともあり、新しい部屋が待ち遠しかった。

公務員になるので、自分へのご褒美として家賃も少し高めの部屋にした。

年内には管理会社に退去のお知らせをしよう。

そんなことを考えていると、最後の大仕事を思い出した。

上司に退職の意向を伝えなければ。

市役所
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管理人

公務員試験で採用漏れになり何もかも失った公務員試験バカ。
市役所に最終合格したので仕事を辞めたものの、結局4月採用の連絡は来ませんでした。
受験歴は学生時代に17自治体、社会人時代に10自治体。
公務員試験の真相を詳らかするため、ブログで発信しています。

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