神奈川県職員採用試験の記事を書いていたら、学生時代に神奈川県内の自治体をもう1つ受験していたことを思い出したのでここに記述する。
当時、相模原市職員採用試験は6月と10月に実施された。
ちなみに相模原市は年度によって採用試験の実施時期が異なるので注意してほしい。
当然6月の試験は受けていない。特別区を受験したからだ。
10月まで内定が出ず、家ではずっと公務員試験情報サイトを閲覧していた。
この時期でも、採用試験を行っている自治体は少なからず存在する。
本当は都会で働きたいが、贅沢は言っていられない。関東地方の自治体であれば、田舎でも申込みをしていた。
その一つに、相模原市があった。藁にも縋(すが)る思いで受験した。
会場は麻布大学。
たしか第1次試験は教養試験だけだったのだが、いつもとは違う感覚だった。
教養試験の手ごたえがありありだったのだ。
とくに、数的処理の出来が良かった。わからない問題がなかったくらいだ。
やっと自分と相性の良い問題に巡り合えた。今までの努力が実った瞬間だった。
受験後、もしかしたら合格しているかもしれないと思い、相模原市に住む覚悟を決めた。
相模原市に住むのが運命だったのだ。
だが、結果は不合格。あっけない幕切れだ。
後日、相模原市まで得点開示に行った。乗り慣れない路線の電車に乗り、相模原市へ向かう。場所は市役所ではない。人事委員会のある僻地だ。
合否発表後から、あの手ごたえでなぜ不合格になったのか考えていた。
今まで受験してきた試験のなかでは格段にできたと自負している。それでも不合格ということは、周りの受験生がさらにできたのだろう。
自分の順位を知るために行くのだが、もし合格まであと一歩だった場合、公務員試験からは逃れられないのではないかと考えた。大学受験も同様だが、あと何点などと具体的な数字を出されてしまうと、もう一度受けたら受かるのではないかと思ってしまう。
受験生に優しいようで優しくない制度だ。
傘を差しながら見知らぬ土地を歩く。
駅から結構距離がある。合格していれば、こんな辛い思いをしなくて済むのに。そんな気持ちで一杯だった。
目的のけやき会館に着いた。ここに私を不合格にした人事委員会事務局がある。
人事委員会事務局の受付で得点開示に来たことを伝え、しばらく待たされる。
5分ほど待ったであろうか。男性職員が薄いファイルを開いた状態で持ってきた。見てみると、受験者情報の一覧だった。
私の結果のみ見えるよう、他の受験者情報は目隠しされていた。
結果はこうだ。
受験者:1064人
合格者:144人
順 位:190番台
本当に惜しかった。あと2問正解していたら合格していただろう。
いったい神はなぜこんな重荷を私に背負わせるのか。
周りの奴らはおちゃらけてるふりをして、実は善行を積んでいるというのか。
私は、今後もっともっと自分を殺して他人のために生きていかなければならないらしい。
自分の夢を叶えたいなど、おこがましいのだ。
私は他人のために産まれ、生き、死んでいく。生まれ変わってもその役割は変わらないのだろう。
そんな考えが頭を駆け巡った。
帰りは雨に打たれて帰った。
そうしないと、公務員試験はやめられない気がしたから。
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