12月初旬、最終試験に不合格。
信じられなかったが、点数と順位だけは知りたいと考えた。
自分の成績を知ることができるのは不合格者だけに与えられた特権だからだ。
不合格とわかってだいぶ経ってから、平日に川口市役所へと向かう。
最寄り駅は川口駅だ。
到着して中に入る。
市役所という建物は、大体どの自治体でも同じような作りになっている。
入口近くや1階には、市民の利用頻度が高い、市民課とか福祉課が設置されている。
一方、職員採用を担っている職員課は上の階にあることがほとんどだ。
私はエレベーターで職員課まで向かった。
薄暗い廊下ですれ違う人は皆、スーツを着た職員だ。私服の市民などここにはいない。
とある部屋の一室が職員課になっていた。意を決して入室する。
「あの、成績開示に来たのですが」
相当忙しかったのか、それとも市民が珍しかったのか、職員はそれなりにいたが誰も反応しない。
ようやく、一人の男性職員が重い腰を上げる。
「受験票を見せてください」
所定の手続きを終え、開示を待つ。
慣れない作業なのか、少し戸惑っているのが見てとれた。
そして徐(おもむろ)にPCを持って立ち上がる。
「どこに行くのだろうか?」
そんな私の疑問はすぐに解決した。
職員が私のいる受付まで来て、持っていたPCの画面を見せてきたのだ。
これは初めてのパターンだ。だが、私はこんなことで怖気付くような男ではない。
こう質問してやった。
「写真撮ってもいいですか」
「撮影は禁止されているのでダメです」
そう言われ、メモ用紙を渡された。
量産型の黒のボールペンで、画面に映っている自分の得点と順位を記録した。
あまりにみっともない点数なのでここに載せたくはないが、川口市の採点基準がおかしいとも思えるのでざっくり書いておく。
第2次試験の2回の面接の得点と、それぞれの受験者数と順位がわかったのだが、あまりに低すぎる。
受験者数は100人弱、最終順位は圧倒的に下から数えた方が早い。
というか、高校なら確実に赤点で留年必至のような成績だ。
もうわかりきっていることだが、公務員の面接官は見る目がない。外の世界を知らないから。
だから自分好みの受験者しか評価ができない。
ちなみに川口市は令和2年に新庁舎が開庁した。
私がこの記事を執筆している今も、職員たちは綺麗な庁舎でぬくぬく過ごしているのだろうな。
これで、私と川口市との戦いは終結した。
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