9月下旬、川口市立高等学校で第1次試験の筆記試験が実施された。いわゆるC日程だ。
(第1次試験の面接試験はすでに実施済み)
試験会場は川口駅、西川口駅、鳩ケ谷駅の三駅の中間地点に立地する。
駅から遠いので、駅からバスで向かうことにした。
川口市立高等学校の近くで下車するのだが、すでに大量の受験生が群れを成していた。
この光景は異様だ。
日曜日の朝に、暗い顔をした公務員予備軍が隊列歩行しているのだから。
私も軍人になりきり、試験会場へと歩みを進めた。
川口市立高等学校は最近、開校したばかりの学校で、なにかと真新しい。
公立なのにこんなきれいな校舎で学べる高校生が羨ましく感じた。
さて、自分の席を確認したところでトイレへ向かったのだが、ここで試練が待ち受けていた。
トイレの行列がすさまじいのだ。
私の並んだが、全く進まない(個室トイレ)。
もう着席時刻が迫っている。
「クソッ、こんなことになるならもっと早く来ていればよかった・・・!」
そんな後悔をしてももう遅い。
私は自分の前が2人となったところで、教室に戻る判断をした。
以前、神奈川県の秋季チャレンジの記事で、行列のためトイレに行けなかったと書いたが、まさか二度目があるとは。
つくづく自分は運が悪いと思う。
試験が始まっても、腹痛で集中できず、いつ手を挙げるか、そのばかりが頭をめぐっていた。
教室に試験官が一人いたのだが、彼の気づくタイミングで手を挙げなければならない。
気づくと、1時間が経過していた。
試験終了まで、あと1時間。
意を決して手を挙げる。
後方の席だったので、試験官が後ろまで歩いてくる。
「トイレ行ってきていいですか」
すぐに許可され、廊下に出たのだが、ここでもまた事件が発生した。
廊下で複数の職員が話し合っている。
どうやら、同じタイミングでトイレに立った受験者がいたらしく、その受験者を監視しているので、私のトイレを監視する職員が不足しているらしい。
つくづく自分は運が悪いと思う。
結局、私は職員(女性)をトイレの前に待たせ、用を足した。
120分の教養試験でトイレに立つのは時間がもったいないが、仕方ない。
なんだかんだで、試験は終了した。
帰りも公務員受験者が群れを成し、同じ目的地へ向かう。
バスに乗るため、バス停まで歩く。
皆、考えることは同じだ。
私がバス停に着いたとき、すでに10人ほどは並んでいたと思う。
私の後ろにも続々と受験者が並ぶ。
バスが来た。
バスの中にもほどほどの客が乗っている。
一気に不安になった。
乗れるのか、乗れないのか。
ここで乗れなかったら、駅まで歩いていたほうが早いかもしれない。
ただ、暑かったので絶対バスに乗りたいと思っていたのだ。
並んでいた受験者がバスに乗り込む。
そこに私も続く。
乗れた。
余裕で乗ることはできた。車内はだいぶ混雑したが。
当然、乗れなかった受験者もいる。
窓の外には、確実に日焼けの原因となるギラギラした太陽の下、汗をかいた受験者がこちらを見ている。
勝った。私は勝ったのだ。
運がいいからではない。正しい努力をしたからだ。
このバスが、公務員合格者を乗せたバスに感じられ、事実、第1次試験に合格していたのだ。
試験中にトイレに行っても合格できる。
この出来事で自信をつけ、第2次試験へと臨んだ。
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